生命倫理と医の倫理について分かりやすく解説

こんにちはしゃちです。

今回は、タイトルの通り生命倫理と医の理解について解説していこうと思います。

本題に入る前にもし救命士関係で取り上げてほしいことや質問がありましたら気軽にコメントください!

 

原則

ここでは医療者として常に念頭に置くべき倫理上の基本原則について4つ触れていきます。

自律の尊重

この原則は、傷病者の自己決定権を尊重することを意味します。

テキストには傷病者に判断力が無い場合(意識無しなど)についても触れていますが今後の話でややこしくなるのであえて触れません。

善行の原則

この原則は、医学的によかれと思うことをやることを意味します。

ここで問題になるのが自律の尊重との矛盾です。例えば、心肺停止状態で

輸血をしないと助からないから輸血したい医療側(善行の原則)

宗教上の理由で輸血をさせたくない患者の家族側(自律の原則)

と言うパターンが存在します。

輸血を救命士が行うことはありませがこれに近しいことは有ります。このような場合はまずは家族を説得を試みて、それでもダメなら医師に相談するスタンスでいいと思います。

 

しゃち君
しゃち君

実際に救命士として働くようになったら医療機関との間で取り決めがあったりする場合があるから今は難しく考えないようにしよう。

無危害の原則

この原則は、傷病者に危害を与えないことを意味します。

簡単に言うと傷病者に菌とかを感染させないように手袋、マスクをしようとか搬送時になるべく痛い思いをさせないようにしようなどです。

ここで大事なのは、特定行為についてです。例えば、輸液は針を刺すと言う意味では危害を加えてしまっています。ですがここで大切な考え方は、状態を良くするため、症状を和らげるためであればやるべきということです。

 

公正・正義の原則

この原則は、傷病者を公正、平等に扱うことを意味します。

例えば、目の前に頭が痛いと訴える人が2人いるとします。一人は自分の大切な人、もう一人は何も知らない赤の他人としましょう。この情報だけ聞くとどっちを助けたくなりますか?純粋に考えれば大切な人を先に助けてしまうと考える人は多いと思います。ですが、もしかしたら同じ頭痛でも片方は早く病院で手術が必要かもしれません。この場合は優先順位が変わってきます。

このように、誰が傷病者ではなく、どっちを先に医療機関へ連れていかなければならないのかを考えることが大切です。

 

生命倫理に関する出来事

ここでは、歴史的な出来事から作られた生命倫理について解説していきます。どの出来事が何について触れているのかを理解しましょう。

 

しゃち君
しゃち君

細かいことは省略してざっくりとポイントだけ伝えるから復習をかねて1度はテキストを見てね!

 

ヒポクラテスの誓い

これは「医学の祖」と呼ばれるヒポクラテスが提唱したもので倫理規範として、病める患者に医術を尽くし、医師の裁量に基づいて救命・治療を至上の責務とするなどが謳われています。

 

ジュネーブ宣言

この宣言は1948年にスイスのジュネーブで開かれた第2回世界医師会で採択されたもので基本的に医師の倫理規範・職業倫理について示しています。

 

ヘルシンキ宣言

1964年にフィンランドのヘルシンキで開かれた第18回世界医師会で採択されたものでインフォームドコンセントの元となったものです。インフォームドコンセントについては後ほど詳しく解説します。

 

リスボン宣言

1981年にポルトガルのリスボンで開かれた第34回世界医師会で採択されたもので患者の権利について示しています。具体的には次の図の11項目になります。

この図に関しては、救命士テキストにも載っているので覚えることをお勧めします。

 

しゃち君
しゃち君

国家試験でも出やすい項目だからこの画像を保存してたまに見てみるのもいいと思うよー

 

傷病者の権利を守る盾

 

インフォームドコンセント

簡単に言うと説明と同意のことを言います。ポイントとなることは3つです。

  1. 医学的に正しいこと説明している
  2. 傷病者や家族らが説明の内容を正確に理解している
  3. 傷病者の意思に基づいて自ら決定している

この中でも2番に関して細かく聞かれることは度々あります。説明の時に医学用語を使わないはその代表例です。

また、救急現場においてはどうしても緊急で説明する時間がない場合があります。その場合は、「緊急事務管理」というもので家族に説明せずに特定行為をできますが事後にちゃんと説明をすることは試験でも聞かれる内容なので覚えておきましょう。

 

QOL(クオリティー・オブ・ライフ)

一般的に生活の質と言われています。生命倫理の観点からは、肉体的生命よりも自分を認識できて、精神的に充実した生き方できていることが重視されることから終末期の無理な延命処置よりも傷病者の意思を尊重して対応すべきと言う考え方に至ります。

 

リビングウィル

望まない延命治療や無益な延命治療を拒否する傷病者の権利のことをいいます。

具体的には、文章によって尊厳死を表明した事前指示書と生前に発行された遺書があり、現場で書類を見せられた場合には考慮をします。ここに関してはテキスト的にも曖昧ですが処置をやってはいけないという訳ではないので気をつけましょう。

 

脳死と臓器移植

脳死という言葉を聞いたことがあると思います。今回は細かくは触れませんが脳死状態は寝たきりですが生死の中では生に分類されます。ただし、現状では臓器移植につながる場合のみ人の死として扱います。

また、臓器移植は本人が臓器移植を証明するドナーカードを持っていたとしても、家族の承認がなければ行うことができません。逆に言えば本人の意思がわからなくての家族の承認があれば臓器移植を行えます。基本的に決定権は家族にあると考えてください。ただし、虐待児の場合に親に決定権はありません

ここでは、ポイントになる部分のみに触れましたがこの範囲に関しては時々それ以外からも出題される可能性があるので説明とは別で一読だけでもして下さい。

 

救急救命士の職業倫理

救命士の職業倫理は2つに分類されます。

  1. 日常業務における責務
  2. 個々人として研鑽すべき責務

の2つです。何がどれに分類されるかを把握しましょう。

 

まとめ

ここまでお疲れ様でした。今回の範囲は必須問題(B・C問題)でよく出ます。ポイントが割と明確化されているため押さえるべきところを抑えることが大切です。今回は、ポイントを軸に簡単に説明しましたが実際には、より細かく記載されている部分も多いので他の範囲の一通りやって余裕ができたのであればテキストにも必ず目を通してください。

 

しゃち君
しゃち君

個人的には、復習がてらテキストを読むとポイントを元に深く理解できると思うからオススメだよ。

これから少しずつテキストを今回のように解説していくので次の記事もまた見てください!

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